病名を知りたい
膝のすぐ下の外側には、<腓骨骨頭>という小さな骨のでっぱりがあります。腓骨神経は、このでっぱりを外側から下側へまわりこむように走ります。この神経はこの部分で傷みやすく、腓骨神経障害を起こすことがあります。
足を組んだり、きついストッキングをはくと、この部分で神経がつぶされ、神経が傷むことがあります。また、このような原因なしに日常生活動作で傷んでしまうこともあります。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変
すねの外側から足の甲にかけてしびれや痛みが起こりますが、歩くとしびれが強くなり、歩けなくなることもあります。症状が強いと、足首が上にあがりづらくなり、スリッパがぬげやすかったり、つまづきやすかったりすることもあります。MRIやレントゲンなどの検査ではみつけることができず、神経に電気をながす検査をして診断しますが、この検査でさえ、異常を検知でないこともあります。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変
足を組んでいた、ストッキングをはいていた、など原因がはっきりしている場合は、原因を除去し、ビタミン剤などを服用して経過をみます。症状が強い場合には、手術を行うこともありますが、手術は局所麻酔で、4cm程の傷ですみ、40分程で終わります。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変
足を組んでいた、ストッキングをはいていた、など原因がはっきりしている場合は、原因を除去し、ビタミン剤などの薬物治療が有効なことがあります。症状が強い場合には、手術を行うことがあります。手術は、腓骨骨頭後方から下部の皮膚を3cmほど切り、神経の表面を覆う筋膜や靭帯組織を切離する神経剥離術を行いますが、手術直後から歩くことができこともあります。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変
腓骨骨頭周辺で腓骨神経がつぶされているところを押したり叩くことで、しびれが起こることがあります。
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