本学会について
一般社団法人日本脊髄外科学会
理事長 髙見俊宏
この度に一般社団法人日本脊髄外科学会の理事長を拝命いたしました。学会運営が理事会制度となって以降、中川 洋先生、花北順哉先生、金 彪先生、飛騨一利先生についで、当方が5代目として本学会の理事長職のバトンを受け取りました。大変な名誉であり、責任の重さに身が引き締まる思いです。
本学会は1986年に「脳神経外科医が脊椎脊髄疾患について討議する全国的な研究会」として始まり、現在までに「脳神経外科診療における脊椎脊髄外科領域を代表する学会」として発展してまいりました。本学会が対象とする脊椎脊髄疾患には、国民的有病率が高い頚椎・腰椎の加齢変性疾患だけでなく、先天性疾患、外傷、腫瘍、血管障害、さらには末梢神経疾患など多岐にわたります。生命の危険に直結する疾患だけでなく、日々の生活の質に影響する疾患を含めて対象としています。学会員が行う診療内容としては整形外科診療と重複する部分が多分にありますが、国内だけでなく国際的にも脳神経外科・整形外科の競合・協調・融合が進んでいる領域です。脳神経外科医の強みは、神経解剖学・神経生理学などの神経学を基礎とし、筋・骨格全体との調和を考え、精緻で安全な脊椎脊髄手術を実践することだろうと思います。
学会発足から30年以上の歩みの中では、学術交流の推進だけでなく、研究会から学術団体への変革、理事会制度による運営管理の強化、技術認定制度の導入、さらには一般社団法人化などに取り組んでまいりました。さらに、最近では学会主導による臨床研究、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)を通じた適正な診療報酬に関する学術的検討、日本専門医機構によるサブスペシャルティ領域専門医資格の認定に取り組んでいます。本学会は、脊椎脊髄疾患の診療に従事する脳神経外科医を診療・教育・研究分野で支援し、最終的に国民全体の健康及び福祉に寄与することを学会の目的としています。学会理念としての「学会活動を通じた社会貢献」を学会員皆様と共有し、学会活動の推進と情報公開を進めてまいります。
そのための活動目標として、
(1)Challenge:新医療技術・新知見への挑戦と検証
(2)Diversity:脳神経外科医の多様なキャリア形成への支援
(3)Pride:脳神経外科医による脊椎脊髄診療の評価
の3つを重点課題として挑戦し続けます。そして、次世代に学会運営を最善の形で引き継ぐことを目指します。本学会へのご理解・ご支援を切にお願い申し上げます。
2023年6月16日
一般社団法人日本脊髄外科学会
理事長 髙見俊宏
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